観た・聴いた・読んだこのメモ

放送博物館にて

  • 酢豆腐」「首提灯」「坊主の遊び」(古今亭シンチョウ)を大画面で観る。客は百人弱。酢豆腐の「げしょ?」だの「もちりん」だの、やっぱりおかしく、口演後拍手が起こった。注目は首提灯。噺の間に胴切りを挿入するなどの工夫も、インタビューでシンチョウ自身「どうしても盛り上がらなくていつも不安になるんです」と語っているような不安からなのか。町人の啖呵や粋さだけでは難しい噺のようで、別の噺家のものも聴いてみたい。動くシンチョウを観ていると、まだ生きていて落語のことを考えているんじゃないかと不思議と寂しくなった。
  • 閲覧室で「演芸指定席」という番組を見る。

鈴本演芸場の前で)
小朝「小三治師匠間に合うかしら」
(赤いライダースーツの小三治、バイクを引いて登場)
小三治「どうも遅くなっちゃって」
小朝(突然)「え〜、今日は湯屋番やらせていただきます」
小三治「いいねー、私は久しぶりに小言念仏を」

という茶番劇から始まる。若き小三治のわざとらしく上機嫌な芝居が新鮮。小言念仏は、小言の対象を見つける表情があるせいかCDで聴くより何倍も面白い。

  • 「おかめ団子」(志ん生)は時間の都合で途中まで見る。天衣無縫(雑)。「二十二三歳」という台詞も「二十・・・二三歳」という間。うかつにも、笑い声を発してしまった。なんと珍奇な魅力なのか。

志ん朝復活-色は匂へと散りぬるを は「酢豆腐」「鰻の幣間」 落語名人会(38)?柳家小三治14 味噌蔵/小言念仏