観たこと・聴いたこと・読んだことメモ

放送博物館にて

  • 「お若伊之助」「抜け雀」「大山詣り」を「NHK番組を見る会」で観た。志ん朝は、お若〜のような聴きどころの少ない話でも余計な脚色なしで最後まで聴かせる話術。「抜け雀」については最近立て続けに聴く機会があり――。米朝はノラクラしながも所作が自然でおかしく、笑わせるポイントはしつこく演じ、志の輔はサゲの説明を噺の冒頭に挿入する計算高さがあると感じた。

志ん朝復活-色は匂へと散りぬるを い「三枚起請」「お若伊之助」 志ん朝復活-色は匂へと散りぬるを り「品川心中」「抜け雀」 

(家臣から地球儀を献上され)
渥美(殿)「こげに大きなものをよう丸めたの〜。余の治めている国はどこだい?」
家臣「はっきりとは分かりませぬ」
渥美(殿)「切腹すっか?え?切腹すっか?余の治めている国はフランチェスカだっけ?」
家臣「殿、フランスと勘違いなさっています」
渥美(殿)「切腹すっか?ホントに。切腹すっか?」

渥美(西郷)「勝どん!」
黒柳「私はカツ丼!」
渥美(西郷)「足しびれちゃった・・・」

34回は総合司会にタモリ、赤組団長黒柳徹子、白組鈴木健二という取り合わせ。オープニングでタモリが「第三十四回NHK紅白歌合戦!」と宣言するが、胡散臭い。続けて、鈴木に「相変わらずでかい頭でございますね〜」といいとも!感覚で紅白もこなしているように見える。
33回ではサザンがチャコの海岸物語を歌うのだが、桑田が顔に白粉&三波春夫の格好で――、

つれ〜なく〜て〜♪「神様です」

NHKってわりと面白い。放送博物館に住みたいくらい。

  • 「社長えんま帖」を観る。

社長シリーズの中で本作は、森繁久彌(社長)がマルボウ化粧品の社長で自家用飛行機を「攻撃は最大の防御なり」という社訓を理由に衝動買いし、その飛行機が元で珍騒動が起きるという素晴らしくバカバカしい内容。

(社長室にて)
森繁「私はこれからね、積極的攻撃精神でいくからね。君も社長秘書として大いに張り切ってもらわにゃいかんぞ」
関口宏「はい!大いに張り切ります」
森繁「よし、これで終わり」
関口「すごいですね、社長。10日も溜まっていた書類、2、3分で片付いちゃいましたよ」
森繁「これが攻撃精神の発露というんだよ」
加東大介「社長できました!わが社の新しいモットーとして結構だと思います。(張り紙を見せ)『攻撃こそ最大の防御なり』」

なんと軽薄なやりとりなのか。いいな、こんな社会。しかし、関口宏のさわやかキャラには違和感。「男はつらいよ」のような切なさが徹底的に欠けている、というのも良し悪しだと思った。

  • 「米揚げ笊」(笑福亭松鶴)を聴く。ところで「笊」ってなんて読むんだろう。単純に面白かった。