観た・聴いた・読んだことメモ

放送博物館にて

  • 「エンゲイ指定席」を見る。この番組は、まず噺家2〜3人が数分間トークをし、落語を聴かせるという構成(のちに、普通の寄席番組になってしまうのだが)。オレはこの番組の冒頭のトーク(茶番劇)部分だけを続けて見ることにした。
    • 円楽・円橘・好楽の回(1985年)。この回は寄席・若竹の開場披露口上だった。そこで円楽は舞台中央で挨拶するのだが――、

お客様が足を運んで下さることで若手は育っていきます。噺家一人救うのは猫千匹救うよりもタイヘンなことでございまして――。ガハハ。

と、円楽は内面の「残酷さ」をウッカリ露呈してしまうのであった・・・。

    • 仁鶴・文珍の回(1985年)。二人とも若いなあ。
    • 小さん・円蔵の回(1985年)。まず、円蔵が楽屋中継。「二階に行ってみましょう、イヒ。誰かいるんじゃないっすかね、ヘヘヘ」。階段を上がっていくと、将棋盤の前に小さんが座っていて――、

円蔵「おっ!どうも師匠!ヘヘヘ」。
小さん「おう。待ってたんだ」。
(いきなり、そろって将棋を打ち始めるという茶番劇)
円蔵「角ミチのテッポウをまず一つっと」。
小さん「アガリを一つ」。
円蔵「じゃ、中飛車で、ヒヒヒ」
(すると画面下部にテロップ――、「小さん師匠、円蔵師匠と将棋を指すものの思い出話に花が咲き・・・」。案の定、小さんは思い出話を始めるのだった・・・。)

    • 鳳楽・米丸の回(1988年)。楽屋らしき場所にて買い物の話題でトーク。そこで鳳楽は、金原亭馬生に「おいで」と骨董品を買いに連れて行ってもらったが、馬生は30万円の値札を3万円と間違えて恥をかいてしまったという話をする。
  • 「夜の指定席 いとしこいしショー(1981年)」を見る。この番組の進行役は、いとしこいしの友人・小松左京。慣れない仕事であるせいか、番組冒頭で――、

皆さんとイイイ一緒にタタ楽しませていただきましょう!

と、噛んでしまうのであった・・・。昔、小松は漫才の台本作家だったらしく、以来、親交が続いているのだそうだ。ちなみに、小松の代表作である「日本沈没」は「日本の地価は高いけど、沈没したらどないするねん!」という漫才的発想から生まれたとのこと。そして、この番組の最後に、いとしの妻が登場し――、

こいし「やっぱり、君とこの嫁はんはブサイクやね」。
いとし「まだ言うか」。
いとしの妻「ホンマに名誉毀損で訴えますわ」。
こいし「うちとこの嫁はんもようブサイク言われてるやろが!」。

もはや会話自体が漫才。

  • 東スポを読む。面白かった記事を二つ。

新潟県中越地震でアイドル明暗】
モーニング娘。」とあややこと松浦亜弥がコンサート中、新潟県中越地震に遭遇。それぞれが曲の合間のトーク地震について触れ、吉澤ひとみは“失言”でファンから批判された。(中略)。3曲目が終了すると再び大きい地震が起こり、約10分の中断。再開はメンバーのあいさつから始まり、吉澤が「うちらがあんまり熱いから、マグマが熱くなっちゃった」とアドリブで会場を盛り上げたという。この発言について、ファンの意見は真っ二つ。(中略)。松浦は「すごかったよね。心配です。この会場からみんなでパワー送ろうね」と会場を盛り上げた。(中略)。ファンも「震災地を気遣った」と好評。(以下略)。

【古瀬絵里キャスターに地元・山形から仰天エール】
「伝説の胸のボタン飛ばしで」で人気回復だ。スイカップ復活には「伝説の胸のボタン飛ばししかない!」。

  • 「シュガータイム」(小川洋子)を読む。人間という生物が存在することの根源的な哀しみが書かれているような気がする。読者を引きつけるために、失恋だのハプニングだの暴力だの不治の病だので、登場人物を道具のように扱った安易な物語は好きではない。「事件」などなくてもこの小説には根源的な哀しみ(孤独感)があって、そのおかげで読み終わったあと、オレの「生き欲」が弱くなってしまい困った。川上弘美保坂和志的。シュガータイム (中公文庫)