読んだメモ

  • 「もののたはむれ」(松浦寿輝)を読んだ。短編集。前半はその幻想的な空間に感心しきりで、一番好きなのは「雨ショウショウ」(漢字出ず)って話。「都市は絵空事」だなあって今日池袋を歩いていたら感じてしまったオレの夢うつつっぷりはこの本のせいだ。直接的にこの本とは関係ないと思うけど、「相手の自分に対する敬語の遣い方一つに自尊心のすべてがかかっていると思いこんでいるような頓馬」たちの、その自尊心が、オレの生きている都市の主要な成分のような気がして、池袋を歩いていて急に心もとなくなってしまった。三浦雅士の解説にも感服。時間芸術と空間芸術。空間芸術的な要素のある噺家は誰だろうとか無駄なことを考えて時間を潰してしまった。