観たメモ

ヤマハホール。長講の会。

  1. ラクチン(宿替え)/MG君が「ラクチンは天才だから聞いて下さいよ〜」と言っていたくらい、MG君オススメの噺家。オレはヤンタン日曜日でちょいちょい電話出演しているくらいの認識だった。で、持ち時間オーバー。オレは次の会があるので、時間が気になって仕方がない。しかも、グズグズ。終わったあと、MG君いわく「ラクチンはこんなもんじゃないですから!」。
  2. ゴンタロウ(子別れ(通し))/時間のことを考えてゴンタロウはマクラなし、「中」はほとんどカットという気の利かせ方。でも、ゴンタロウみたいなタイプは「中」が面白いんじゃないかなあなんて思っていたので、残念でもあった。父と亀がばったり会ったときの会話が不自然、というか布石を打つみたいな感じに聴こえちゃった。ゴメン。でも、母が亀を疑うシーンは迫真。楽しんだ。
  3. エンソウ(唐茄子屋政談)/3人の中では一番短くまとめるべきポジションなのに長々と。AZさんは寝たりイライラしたりしていた。マクラで、腰を痛めていることとか時間がないくせにたっぷり話す。オレも腕時計をみちゃあ舞台を見るみたいな、ぜんぜん噺に身が入らない。その上寝たし。オレの知っているスジだと、貧乏長屋のオカミさんが首をくくるが息を吹き返し一件落着なのだが、エンソウ演出だと死ぬ。「死んだ」って聞いたとき終わったって思った。若旦那が大家の首を絞めて長屋の連中が一人ひとり「スカッとした」だの感想を言って、そのあと葬式があって・・・って。終わったあとなぜかMG君が「KBさん、ごめんなさい!」って謝ってきた。MG君のせいじゃないのに。
  4. ショキョウ(らくだ)/エンソウはオレに迷惑をかけた以上に、ショキョウに迷惑をかけたんじゃないかと思う。そうとう時間を奪ったはずだし。ショカクに比べると、荒々しいというより滑稽な声でスキあらばネットリ笑わせにかかる感じ(キッチョウもそう)が、上方っぽさなのかなあ。オレは途中で次の予定があったので退席してしまったが、AZさんからメールが来て「結構でした」とのこと。焼き場までできたのかな。

中央会館。

  1. 小沢昭一(随談)/オカシ哀しい。例えば、ボロイ橋を渡っていたらガタガタ揺れて、特に貨物トラックが走ったときなんて怖いくらい揺れるんだそうで。小沢は「あぶねぇ橋だ」ってその橋を蹴っ飛ばしたそうなんだが、その橋の欄干に建設年月日が彫られていて、「その橋ワタクシと同い年でしたなあ。そりゃワタクシにだってガタがきますな。蹴っ飛ばしたところまで戻って撫でてやりましたぁ」。とか、そのとき詠んだという句が「秋風やこの橋俺と同い年」。歌もたくさん歌って、銀座の昔話をして、なつかしの芸人たちの哀れな死に様の話をして「コサンジさん、芸人の末路は哀れで参りましょう!」。オレの飛ばされる現実感と同じくらい死ぬことに現実味を感じているから、オモシロ哀しいのかなあ。銀座の話にあわせて最後のハーモニカが「銀座の歌(題知らず)」。すると、何とはなしに客が小さな声でその歌を口ずさんでいて――。相変わらずとても良い。
  2. コサンジ(マクラ)/6人の会が絡んでたしコサンジはヒネクレだし、あまり期待してなかった。しかし、期待が薄かったにもかかわらずガッカリしてしまうという結果。会場が広いこと、時間が60分キッカリに区切られていることに苦言(を言いたげ)。それなり面白いマクラだったが、それだけで。なんでこの仕事を引き受けたのか分からない。
  3. サンシ(お〜いキャディーさん)/言葉遊び。キャディーさんが老人ホームのおばあさんという噺で、「ゴルフ用語」を「老人介護用語」に聞き間違えるってパターンを繰り返す感じ。
  4. サンシ(妻の旅行)/銀座バージョン(誰にでもうけるバージョン)なのかキミマロくらい世界のないうわべのお話。たぶん、わざと。でも、サービスされたって感じはした。小沢昭一をトリにすれば良かったのに。