観た・聴いた・読んだことメモ

  • 「君が壊れてしまう前に」(島田雅彦)を読んだ。この小説は中学生の日記で構成されている。島田の小説については、頭でっかちの青二才を主人公にしたものにハズレはない。面白くて懐かしく、オレも老いたのかもだの、まだ若いのかもだのと思いながらあの頃の感覚を思い出した。

一月六日(月)快晴
ノストラダムスの大予言」の続きを読みに行った。一九九九年に世界が滅びるのだとしたら、ぼくは四十歳まで生きられない。でもあと二十四年も何して暮らしていいのかわからない。(中略)。今年はタイクツ元年で、世界が滅びるのはタイクツ二十四年か。」

二月一日(土)晴れ一時曇り
「TVジョッキー」はデカパイ大会だった。どうしてこんなに大きくなったのかと誰かが出ている女にたずねると、毎日塩で揉むからと答えた。その女はカメラの前で実際に自分のおっぱいを揉んでみせるので、立ってしまった。またオナニー。悲しいおっぱいに悲しいペニス。どうして出会うことがないのだろう。今月こそオナニーをやめる。

「69」(村上龍)が思い出された。やっぱり、村上の方が外向的で島田はシニカルだ。この頃に、社会で生きていくために本能をカバーする形で自我が強まるものなのか。「真面目すぎる態度で、自由の刑に向き合い、ともかく何か行動を起こさなければ、何か全身全霊を打ち込めるものを探さなければ、と焦る」とのこと。「自由の刑」か。 君が壊れてしまう前に (角川文庫)

  • 「ニッポン無責任時代」を観る。植木等の声質や滑舌の良さが目立つ。社長役のハナ肇にはまだ貫禄がない。気合の入った荒唐無稽さの反面、ストーリーに無理があったが、それもまた良し。