読んだメモ

  • 南の島に雪が降る」(加東大介)を読んだ。なんだか戦争に関係した本を読みたい気分で。戦後60年とか終戦記念日とかでそんな気分になったのではなく、働いているオレは死ぬかもしれない当時の兵隊や民衆と似ているかもと感じたからそんな気になったんだと思う。オレの職場で言われる「客」って他の商売と違って不特定多数なので抽象的なもので、その抽象的な「客のために動け」と言われるオレ。「客」で暴力的に民衆の統合を図る国の兵隊みたいなもんだなあオレは。だがオレは、抽象的な「客」のためになんて働けない(資質的に)。具体的な「同僚」に仕事を残さないために、とかなら働くことができるけど。実際そういう意識で働いていると思う。加東大介は戦友のために戦地で演劇をしたらしい。今の仕事観ってそういうのが軽視されている。理屈では「株主のため」とか言うが、軽視されている「仲間のため」「家族のため」が仕事の実際の動機なんじゃないかなあ。本は面白かったってわけじゃないけど、損した気もあまりない。